シネマ座の怪人

映画館に住みたい

ロンドンの映画プレミアに参加した話

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どうも、シネマ座です。ひょんなことから、『キングスマン:ゴールデン・サークル』のロンドンプレミアに参加した際の話が出まして、「ああ、そういえば、何もまとめていなかったなぁ」という事で、約1年半の時を経て今更ながらこの記事を書いています。

映画の海外プレミアというと、なかなかハードルが高いイメージですが、基礎パターンは整理券(リストバンド)を現場で入手するだけなので、案外なんとかなります。

そういうわけで、実際の参加までの流れをまとめてみましたが、念のため、下記は吾輩が2017年9月に渡英した際の出来事であり、あくまでもレポートとして読んでいただければと存じます。

 

プレミアの日時をチェック
まずプレミアの会場・日時をリサーチ。おそらく大体、レスタースクエアに2館ある映画館「Cineword Cinema」か「ODEON」のうちのどちらかです。キングスマンは二館で実施されました。ただ、スクリーニング(先行上映)が実施されるのがそれらの映画館というだけで、レッドカーペットに参加するだけなら、とりあえずレスタースクエアに行けば良いものと思われます。

要は「大きな公園の真横に映画館が二つあってどっちかで先行上映やるけど、レッドカーペットのイベント自体はどのみち公園でやるからどっちの映画館かは関係ない」という感じ。

前提として、日本と異なり、先行上映は何かしらの抽選や寄付の特典でチケットが配られるのに対して、レッドカーペットには事前抽選ではない一般参加枠が大きく設けられています。あと、日程が変更になることもあるので情報はマメにチェック!

 

整理券の配布場所とタイミング
整理券は当日ないしは前日に会場付近で配布されます。キングスマンの際は前日配布でした。人気作だと前日の可能性が高いのでは、と思われます。ただし、空き枠さえあれば当日朝でも十分に参加券は入手できるようで、友人は007スペクターに当日券で参加しておりましたし、キングスマンもプレミア当日の地下鉄で無料配布されているタブロイド紙の朝刊で、案内の告知がなされていましたので、現場で情報収集される際ヒントになると思います。

 

実際にリストバンドを入手する

吾輩の場合は、前日朝に現場となるレスタースクエアの近くまで行ったので、映画館の前にいた関係者と思しきスーツの男性に「明日のプレミアのリストバンドはどこで配布されますか?」と声をかけ、現場で情報収集しました。

それがたまたま「今日配布する」(=前日配布)との事で、昼にリストバンドを配布する際の整理番号が発行されていました。

実はこのパターンはあまり聞いたことがなかったので、割愛しようか悩みましたが、念の為記載しておきます。

 

◆ 8:00 (前日 朝)

朝早く、まだ映画館が閉まっていたので、リストバンド受け取りの為の整理番号は同じ広場にあるマクドナルドの中で発行されていました(屋外が日本の12月並みの寒さだった為?)。店内で待機されているスタッフさんに声をかけてバインダーに名前を記入。名前を書くと、手にマジックで番号を直接書かれました。この番号が昼にリストバンドを受け取る順番になります。

◆ 11:00〜12:00

TKTS」というミュージカルなどの当日券を安売りしている券売所の付近にて手にかかれた番号順にリストバンドを受け取り。

◆ 12:00〜

残ったリストバンドは映画館(ODEON)の「中」で配布。長机がありスタッフさんが立っているので声をかけるだけで貰えました。

◆ 20:00

まだ劇場で配布されていました。

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◇ 9:00 (当日 朝)

地下鉄新聞の告知によると現場で配布あり。

◇ 12:00

列形成開始 (※のはずだった→後述)

◇ 17:00 

プレミアイベント開始

 

と、いう感じ。こちらがリストバンドです。持っているのは会場地図。リストバンドの色と地図の色が対応していて、バンドに書かれた数字順に当日は入場となります。

 

場所を選ぶ
リストバンドはエリアごとに色分けされていました。自分が行った時は残数に余裕があったので、好きな場所を会場地図を見ながら選ばさせてもらえました。スターが歩いてくる様子を長く眺めていられる中央や、インタビューなどが実施されるステージの前が良いと思います。もう一つ長く眺められる場所が、車椅子(wheelchair)の方の優先ゾーン横です。この辺りはゲストが特に長く立ち止まるのでお勧めと関係者の方は申しておられました。ただ正直どこにいても運次第だという気がします。

実際、自分は優先ゾーン横のバンドを頂きましたが設営時点で何かしらあったのか、エリアが消え、適当に違う色に振り分けられました。当日わかりました。予想外の展開。

 

当日の流れ

プレミアの開始時刻は17:00でした。参加者は、レスタースクエアに12:00に集合するように言われましたが……

14:00になっても会場に動きがないなど…

なかなかの展開となりました。実際、プレミアが始まるまで1時間を切った16:00過ぎでも、まだステージ上でドリルやトンカチの工具を出して設営をされておられるなど、何事も時間通りに行くとは限らないようです。

 

入場は、リストバンドの色とバンドに書かれた数字で順番に案内されます。

「赤色のリストバンドを持った人ー!!それじゃぁ、この辺りに数字が若い人から順番に並んでね」といった感じで召集がかけられるので、他の参加者に「君の番号は?」と声をかけて、参加者自ら列を形成します。

あとは簡単な手荷物検査を通過して、案内されたエリア内で場所を取り、ただ待つだけです。若い数字の方が先に入れるので、リストバンドは早めに手に入れた方が良いでしょう。

 

実際にスターが登場したら…

運が良ければ、セルフィーやサインをもらえるかもしれませんが、「実際に本人を拝めたらいいな」ぐらいの軽い気持ちで行った方が精神的に良いように思います。

スターが近くに来たら全力で名前を呼びましょう。長い待ち時間の間にお話しした、ポーランドから来たというサインマニアさんも「いいか、全力で声を出して振り返ってもらえ!」とアドバイスを下さいました。またいくらサインが欲しいからといって、他人のボードの上に自分のボードを重ねて出すことや、すでにサインを貰ったのに、再びサインをもらおうとするのはNGです。エージェントさんがしっかり見ておられて「君はダメ」といって、ボードを突き返されます。そのあたり、割としっかりしているものと感じられました。

 

現場の高揚感はなかなかのもので、大変楽しかったです。また、ロンドンプレミアにはロンドン市民だけでなく、かなり多国籍に人が集まっているようでした。韓国や台湾の方ともお話ししましたが、みなさま、大変フレンドリーな方々でした。国は違えど、同じ映画ファン。できれば長い待ち時間の間に、簡単な英語で十分なので、ご挨拶や雑談を交わしておくと良い気がします (「ワイ、日本から来た!〇〇の大ファンやねん!!」程度でOK)。俳優さんまで手が届かない後ろの方の為に、見知らぬ同志が気を利かせてサインボードを前に回している場面もありました。

 

ちなみに、実際に俳優さん本人が目の前を通ると頭が真っ白になります。「いきてる」としかすぐには感想が出てこなかった吾輩です。

少し落ち着いてもこんな感想しか出てこない。

お前は何を言っているんだ?

 

以上が、吾輩が体験したプレミアの参加券入手と当日の流れである。あくまでも、個人の体験であり、必ずしもこうなるとは限らないと思われるので、今後、プレミアに参加される方は、くれぐれも参考程度に留めておいていただければと、再度お願い申し上げます。

ただ、行って本当に良い体験ができたので、現場の様子がわからず、渡航を悩んでおられる方がいらっしゃれば、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

オマケ: ところで……

帰り道、会場の柵に取り付けられていた装飾ボードを持ち帰る猛者に遭遇しました。

聞けば撤収作業が進むと貰えるとの事で、これを担いで40分ほど電車に乗り地元に戻るのだとか…… 家で飾るのかとお尋ねすると「とりあえず庭に置いてる。どうしようね、あっはっは!」と仰いました。そう言って豪快に笑うおねーさんに見送られ、吾輩は溢れんばかりの想い出と共にホテルへ帰ったのであった。

 

 

映画館好きの忘年会に行ってきた話

時が経つのは早いもので、気づけば年末。忘年会シーズンも折り返し、気温も財布の中身もすっかり寒くなってしまった。

さて、そんな吾輩だが、先日、塚口サンサン劇場のファンによる忘年会に寄せて頂いた。

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実はこのサンサン太郎君は吾輩の仕事だ!上手く描けた!?

よもやこのような記事にまで目を通すコアな映画好きの方々に塚口サンサン劇場様の説明は不要かと思うので割愛するが、まぁ、集まった面子のキャラの濃いこと濃いこと。

30名を越える大所帯であったが、マサラ上映をはじめとしたイベント上映の常連サンも多いおかげで、見知った顔も多々という不思議。

通路芸をする人、作品に合わせて小粋な衣装に身を包む人、紙吹雪の人、小道具に凝る人、叫ぶ人、歌う人。その人そのノリそのままで宴会をするものだから、さぁ、大変。やれ歌うは、エーオ!するわで大騒ぎ。鍋のうどんは伸びるばかりだ。

勿論、塚口サンの通常上映や、リバイバル上映のラインナップに惚れ込んだファンも多く、話はマニアックに広がり続け、留まることを知らない。本当に、作品チョイスが魅力的で、先だってのチャップリン特集も記憶に新しく、年末年始に掛けてはBTTFリバイバルや平成特集と盛り沢山。兎に角、劇場側が全力疾走するので、ファンも全力で走るほかない。 

そう、この集まりで驚くべきところはここなのだ。一緒に走る仲間なので、普通に集まって普通にはしゃいで、普通に同じ鍋の飯を共にするのは、なんら不思議なことではないのだが、映画ファンの集まりは多々あれど、特定の映画”館”のファンがこうして一堂に集まるのは実に珍しいように思う。

映画館のファンである時点で映画ファンであるのも確かだが、それでも、こうした「縁」の元、一つの場所をキッカケに、賑やかに楽しく忘年会ができている事、感謝したいと思う。

塚口サンサン劇場さん、幹事の皆様、ありがとうございました。本年も大変お世話になりました。また来年もどうぞよろしくお願いします。

エーオ!!

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)

Bohemian Rhapsody (The Original Soundtrack)

 

 

 

「ゴールデン・サークル」劇中使用歌リスト

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 ※注:作中の内容に触れるコメント付き!

 

エルトンジョンとジョンデンバー多め。

ジョンデンバーは、まさにカントリーロードのアーティスト。マーリンがハリーに打ち明けた好きなアーティストもジョンデンバーだったので、マーリンはかなりのジョンデンバー推し。 

 

『Let's go crazy』Prince 🇺🇸
https://youtu.be/aXJhDltzYVQ
チャーリーとエグジーがタクシーの中で戦っていた時に流れていた曲。

 

『don't leave me this way』Harold Melvin & the Blue Notes 🇺🇸
https://youtu.be/O2WKoN8K6nI
ティルデと電話で修羅場になった時に流れていた曲。タイトルが直球「置いてかないで」。

 

『Rainning in my heart』Buddy Holly 🇺🇸
https://youtu.be/bgr1mWjUENE
GCの新たなソルジャーがハンバーガーをかじる時の曲。「オー、ミザリーミザリー」という歌詞が印象的。

 

『Annie's Song』John Denver 🇺🇸
https://youtu.be/RNOTF-znQyw
エグジーが失意に溺れサルーンで飲んでいた時のBGM。

 

『Take Me Home, Country Roads』John Denver 🇺🇸
https://youtu.be/1vrEljMfXYo
カントリーロード!テイクミーホーーーム!!

 

『Saturday night's alright (for fighting)』Elton John 🇬🇧
https://youtu.be/luTfGl5sEro
ウェンズディ、ウェンズディと、エルトン本人の替歌が披露。その後の劇中ではサタデーで流れていましたね。

 

『Word Up』The BossHoss 🇺🇸(🇩🇪) 
https://youtu.be/IIc18_b9a40
ドイツのアーティストによるカントリー曲のアレンジ版。ステイツマンミンチ曲。

 

『Jack Rabbit』Elton John 🇬🇧
YouTube音源無し 下記カラオケ参考音源
https://youtu.be/5eJSMq6jivU

エンドロール1曲目。

 

『The Bitch is Back』Elton John 🇬🇧
https://youtu.be/oZq3E785v18

 

とりいそぎ、以上!

今回も挿入歌を集めたCDは出なさそうなので、一枚一枚、気張って集めて行きましょう。

『ゴッホ』を見た話

私が初めてゴッホの作品を見たのは、忘れもしない、大学3回生の7月。まだ夏休みに入っていない大学をサボり、あろうことか父と2人でニューヨークに出かけた時のことだ。

ニューヨークはメトロポリタン美術館
そこには沢山の名画が並んでいた。

意外なことに、父は存外、絵画に詳しかった。いつも私を美術館や博物館へ連れまわすのは、祖母や母の役割で、父と美術館に行った記憶がなかったので、これにはとても驚いた。

クリムト、モネ、マネ、スーラ、ダリ。

歩みを進めると、教科書で見た程度、名前を聞いた程度の作家の作品が次々に現れた。

その中で、ひときわ私の目を引いたのがゴッホ「糸杉のある麦畑」(Wheat Field with Cypresses) だった。

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うねる雲、波打つ麦。ざわざわという杉の音まで聞こえてくるかのようだった。こんな文章を書いてしまうと、陳腐で、いかにも後から作った美談のように思われるかもしれないが、油絵の具の筆の流れが生み出す陰影には、教科書の写真からは感じることのできない、力強さがあった。

それまで父の後ろに付いて、ぶらぶらと館内を歩いていた私だったが、私はその部屋から離れることがとても惜しく感じられた。

作品と私たちの距離はとても近かった。

作品の周りに柵は無く、人々は思い思いに近づいて、眺め、写真を撮り、立ち去った。先ほどの写真も、私が当時、自ら撮った写真だ。

私は次第に悔しくもなって来た。どうして自分はこうも面白く絵を描けなかったのか。これまで私はそつなく淡々と、カンバスに風景を写していただけだった。そこに、作者独自の視線は無かった。「いずれ失われる風景」をわざわざ選んで描いてはいたので、「作者の想い」がまったく無かった訳では無いが、特にそれ以上の想いはなく、部屋にかけてもつまらない、ぼんやりとした絵が出来上がった。

念のために申し上げるが、見たものをそのまま写す、写実主義が面白くない、と言う話ではない。ただ「自分は自分にあったやり方で、もっと自由に楽しく絵を描いても良かったのではないか」と思うのだ。その、自由で楽しく、という憧れにピタリとハマったのが、ゴッホだったのだ。

それもこれも美術の授業のカリキュラムがどこもかしこも均一的であることの弊害と言う事にしてやろう。そこそこ器用なので見たままを描いた絵はそこそこに評価されたが、成績表のすました点より面白いものもあったのではないか。この時になって、もっと自由に遊んでもよい、と教えてくれる人に出会えなかった事が、本当に残念で、悔しく思えたのだ。今思うに、美術の授業というのは、まとまった時間で絵画と向き合える、それはもう貴重な時間だったのだ

ゴッホにもっと早くに出会いたかった。

ゴッホゴッホなりにそれはもう色々と、苦労して、苦労して、絵を生み出して来たであろうから、こんな一方的な想いは、向こうにしてみれば「ワシのしったこっちゃない」という話であろうが、私はとにかくゴッホと言う奴が好きになった

 

そう言う訳で、並々ならぬ片想いを募らせていた事もあり、ゴッホ 最期の手紙には、大変、心を打たれた。

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その絵画による表現手法もさることながら、物語構成がとても素晴らしかった。ある男が、父親の友人であるゴッホの手紙をその宛先に届ける道すがら、彼の死の真相を追う、という形で、飽きのないサスペンス仕立てとなっているのだが、行く先々で得られる証言は、バラバラで辻褄が合わないながらも、彼と生きた人々の「感情」を追体験する事ができ、不思議な事に、自然と彼を偲んでしまうのだ。こちらは彼のことなど、これっぽっちも知らないというのにね。

表現手法に関しても、色々と仕掛けがあって、とても面白いので、そこはあえて語らないでおこう。

 

さて、最後にオマケ話をひとつ。大学をサボってニューヨークに行ったと冒頭で話したが、私はすっかり日付変更線の存在を忘れ、帰国日を1日間違えるというポカをやらかした。となると、大学の授業補佐バイトに出られない。ところが気づいたのは授業が始まる数時間前。もはや、今更、帰り道。アメリカ出国直後に気付き、大慌てするも、時すでに遅し。

 

「今、アメリカにいます」

 

バイトの相方のX君、その節はすまなかった。

映画を1人で観ても楽しめるテクとは? ~独り時間の正しい過ごし方~

多種多様な趣味を貫く人が多い昨今、1人で食事やお茶をするなんて珍しくないし、1人で映画を見たって何ら不思議なことではない。

とはいえ、やはり「ひとりで映画館で映画を見るのはハードルが高い」と思う人が多いのも事実。たしかに、ひとりで映画館に入るのは、最初はとても勇気がいるかもしれません。ただ、そんな事を言っているのも最初のうちだけ。

どうせ映画が始まれば、ツレと話すわけでもなし、1〜2時間ほどは自分の時間を過ごすワケ。

集団で見に来ている人に「あの人1人でかわいそう」と思われるのが嫌?では問おう。貴様は友達と映画を見に行った時、1人で映画を見ている人を見てそう思ったか?思うわけがないのだ。だいたい、他人のことなど誰も見ていないのだ。"映画"を見に来ているのだから。

そうと決まれば1人で映画館に行かない、行けない理由が見つからない。映画に限らず、ただ、1人で外出するのが嫌なだけなのではないか。大丈夫。映画館に1人で行くのに何も怖いことなどない。むしろ1人で家にいて2人組の泥棒がやって来る方が怖い。

 

好きな映画を見よう

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何と言っても1人映画の醍醐味は好きな映画を自由に見られること。「人を誘ったのに面白くなかったらどうしよう」「人との予定が合わないうちに、見たい映画が終わりそう」そんな心配をする必要なく、伸び伸びと好きなものを選ぶことができる!

 

入り時間は自由

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当然だが、劇場内に入る時間に決まりはない。予告が始まってからでもいいし、始まる前でもいい。好きなタイミングでフラッと中に入れるのは1人映画のいいところ。ただ、ギリギリになった時は他のお客さんの迷惑になるので、予告と予告の合間を狙って、そおっと、入ろう。1人行動が目立つのが嫌だと言うなら、割り込みして入る方が目立つことを覚えておこう。退場時もしかり。エンドロールの途中で前を通る人の方が気になるのだ。それでも、できるだけ目立ちたくないという人は、入り口付近の通路側を取って、ササッと出入りするのがスマートかも。

 

遠慮なく見よう

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1人で映画を見るときは、感動して号泣してしまっても、その様子を同行者に見られる心配もない。むしろ、「今泣いたら、こいつ泣いてるわ(笑) って思われちゃうかな」なぁんて、余計な雑念がない分、作品に集中できるのも良いところ。あらゆるものを気にせず、存分に映画を満喫するためにも、素敵におめかしするレディはお化粧直しのアイテムを持って行くといいかもしれないネ。

 

隣の席を空けよう

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これは好みが分かれる点かもしれないが、映画の座席を取る際、席に余裕のある上映回なら、隣を詰めずに、1席空席を作り、両サイドを空けておくのがオススメ。パーソナルスペースを広く確保することで、隣人を気にする必要がなくなり、1人の時間の質を上げることができる。

 

美味しいご飯を食べよう

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これはただ、自分が好きなだけなのだが、予算だとか、席が一杯だとか、そうしたことを気にせず、スッとオシャレなカフェにでも入れるのはお一人様のイイところ。カウンター席、すぐ入れます。1人でゆっくり、ちょっと贅沢な時間を過ごしてみては?

 

まぁ、とにかく、騙されたと思って、一度1人で映画館で映画を見てほしい。筆者が思うに、「1人で映画館に行くのはなぁ」と足踏みするのは、とても、もったいない事なのだ。映画館では沢山の素敵な作品が、毎日上映されている。面白い映画との出会いがそこにはある。その機会を、世間体だとか、外聞だとか、そうしたつまらない理由で、どうか逃さないでほしい。

 

まず、とにかく映画を見なければ、人生を変えるような映画に出会う事も出来ないのだ。

 

ちなみに今、上映中でオススメの作品は『KUBO /クボ 二本の弦の秘密』。きっと、一生忘れることのできない、とても良い体験になると思う。

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第60回 グラミー賞「映像音楽」部門ノミネート作

2018年 第60回のグラミー賞ノミネートが発表されました!毎年、受賞作を集めたCDが出るのでそれを聞くのが楽しみなのですが、やはり、映画好きにとって映像部門のノミネートは気になるところ。

映像部門には3部門あります。さて、どの作品がノミネートされたでしょうか?

 

MUSIC FOR VISUAL MEDIA


Best Compilation Soundtrack For Visual Media

(サウンドトラック・アルバム賞)

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・Baby Driver『ベイビー・ドライバー

 

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・Guardians Of The Galaxy Vol. 2: Awesome Mix Vol. 2『ガーディアンズ・オブ・ ギャラクシー:リミックス

 

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・Hidden Figures: The Album『ドリーム』

 

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・La La Land 『ラ・ラ・ランド

 

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・Moana: The Songs『モアナと伝説の海』

 

堂々たる5枚が揃いました。どれも今年サントラが欲しくなった作品です。というか、既に手元に揃ってますね。ええ。どれも一枚かけると一日中ご機嫌で過ごせる名盤です。

 

Best Score Soundtrack For Visual Media

(サウンドトラック・アルバム作曲賞)

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• Arrival 『メッセージ』
Jóhann Jóhannsson, composer

 

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Dunkirkダンケルク
Hans Zimmer, composer

 

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• Game Of Thrones: Season 7 『ゲーム・オブ・スローンズ 第7章』
Ramin Djawadi, composer

 

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• Hidden Figures 『ドリーム』
Benjamin Wallfisch, Pharrell Williams & Hans Zimmer, composers

 

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• La La Land 『ラ・ラ・ランド
Justin Hurwitz, composer

 

入ってきました。『メッセージ』と『ダンケルク』。サントラ未所持で聞き込んでいないので、それぞれの曲を口ずさむことはできませんが、緊迫感のある曲が作品を引き立てていた記憶はしっかりあります。hidden figures はこちらにも入ってきましたね。あの元気の出る力強いスコアはたまりませんからね。納得のノミネーションです。

 

Best Song Written For Visual Media (楽曲賞)

• City Of Stars 『ラ・ラ・ランド』より
Justin Hurwitz, Benj Pasek & Justin Paul, songwriters (Ryan Gosling & Emma Stone)
Track from: La La Land

 

• How Far I'll Go『モアナと伝説の海』より

邦題:「どこまでも」
Lin-Manuel Miranda, songwriter (Auli'i Cravalho)
Track from: Moana: The Songs

 

• I Don't Wanna Live Forever (Fifty Shades Darker) 『フィフティ・シェイズ・ダーカー』より
Jack Antonoff, Sam Dew & Taylor Swift, songwriters (ZAYN & Taylor Swift)
Track from: Fifty Shades Darker

 

• Never Give Up 『LION/ライオン ~25年目のただいま~』より
Sia Furler & Greg Kurstin, songwriters (Sia)
Track from: Lion

 

• Stand Up For Something『マーシャル』より
Common & Diane Warren, songwriters (Andra Day Featuring Common)
Track from: Marshall

 

ラ・ラ・ランド』が入るのはもう分かっているんです。対抗馬はモアナでしょうか?アナ雪ほどキャッチィな歌詞ではありませんでしたが、力強く元気の出る良曲です。LIONも良かったですね。ついエンドロールでうるうるしてしまいました。フィフティシェイズとマーシャルは未見なので、これを機に音楽だけでも聞いてみました。なかなかムードのある曲ですね。女性ボーカルの伸び伸びとした声は好みです。

 

残念ながら、70年代の音楽パレードである『アトミック・ブロンド』や、カジュアルな選曲をしてきた『キングスマン/ゴールデン・サークル』は入ってきませんでした。

 

個人的には今年映画館で見た『ブレードランナー』という作品の音楽が良かったのですが

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流石にノミネートされませんでした。

 

 

『アトミック・ブロンド』劇中挿入歌に感動した話

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※この記事は作品の内容に触れています

アトミック・ブロンド』、派手なスパイアクションかと思いきや、『裏切りのサーカス』など、ル・カレの描くスパイ物語を彷彿とさせる本格的なシナリオ。素晴らしい出来でした。正直、頭を空にして見ようとしていたので不意打ちでしたが、楽しみました。

前置きはその程度に。本題へ。本題は劇中挿入歌に"Under Pressure"はヤバいという話。

Queen - Under Pressure (Official Video) - YouTube

本当に、これをあそこで流すのはかなりヤバいのですが、このヤバさに気づくのは、よほどのロック好きか、吾輩と同じおっさんでしょう。


【1】名曲すぎてヤバい
"Under Pressure"は、Queenデヴィッド・ボウイが組み、生み出した名曲です。もうね、伝説のアーティストが組んでいる、この時点でヤバい。


【2】歌詞が作品に合いすぎてヤバい
さて「抑圧の下で」というタイトルの通り、この歌、壁の歌です。「抑圧の下、ビルは焼け、家族は2つに引き裂かれ、人々が路頭に迷う」「これがラストダンス、これが私たちの姿」… ブロンドは最後に何を思うのか。彼女の本当の姿を考えさせる歌詞にもかかわらず、あの通り見事に明るく爽やかなメロディでヤバい。


【3】東西を超えた曲でヤバい
この曲、1986年7月、冷戦下のハンガリーブダペストQueenが行ったライブでも演奏されました。当時、共産主義であったハンガリーは「鉄のカーテン」の東側。対するQueenは西側を代表するアーティスト。東西を超えたこのライブの実現がいかに奇跡的であったかは、想像に難くありません。壁を崩壊させる一つの時代の流れを生みました。壁が市民の手により壊される3年前のお話です。そんな象徴たる曲を、この作品のあの場面の挿入歌とエンディングにもってくるなんて、とにかくヤバい!

ちなみにQueenのボーカル、フレディ・マーキュリーにとっては、これが最後のツアーとなります。

そういうわけで、『アトミック・ブロンド』は、女スパイがドンパチする派手なスパイアクション映画かと思いきや、冷戦の終結までを舞台にし、スパイ達が抱く不信感や不安、信条や名声欲、無常感までもを描き切った、意外と真面目なスパイ映画で、曲も、単に時代にあった80年代の名曲を特集したのではく、最後はしっかり「時代背景」に相応しい名曲でもって締めくくられていて、これはもう完全にしてやられちゃったナァ、というお話でした。


【オマケ】
劇中挿入歌の一つ、"I Ran"は『ラ・ラ・ランド』でミアちゃんがセブにリクエストした曲でもありますネ。

A Flock Of Seagulls - I Ran (So Far Away) (Atomic Blonde Soundtrack) - YouTube


【オマケ 2】
冒頭、パーシヴァルがベルリンの街を車で案内する際「あそこが検問所」と言ったセリフ。訳は「検問所」でしたが、実際には"That is Check Point Charlie"とハッキリと名称で紹介していました。チェックポイント・チャーリーは、『ブリッジ・オブ・スパイ』でアメリカの青年が解放された場所。 

そう、「その時代」のお話なのです。