シネマ座の怪人

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この労災映画が怖い!『バーニング・オーシャン』

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怖いもの見たさから「労災映画」だと話題の『バーニング・オーシャン』を見ました。見事に胃が痛くなりました。

大事故が起こるまでの経緯の説明がとても丁寧で、特に「客観的に見てもヤバげ」な状況に対し、危機感覚が麻痺してしまった現場の雰囲気が、淡々と描かれているのは怖すぎます。

 

分かりやすく例えると、とある職場でABCの三人が仕事をしているとします。

ある日、Aが過労で倒れます→BとCが滅茶苦茶頑張ってなんとかします→今度はBが倒れます→AとCでなんとかします→しかしAがとうとう死にます→仕方ないのでBとCでまた仕事を頑張ります→そこに偉い人がやってきて「今までも2人でやってたんだからイケるて。あと納期遅れてるからちょっと急いでな」という通達を出します→BとCも死にます。と、いうような話です。寒気がしますね。

 

「いつも、そうだから」「多分、大丈夫」一つ一つの事柄は小さな事なので、これだけで事故は起きません。しかし、絶妙なバランスで現場が保っていたのは確かで、そうした希望的観測の下、見逃されてきた小さなヒビ割れが沢山入った地盤に、大きな負荷がかかった場合、それは足元から大きく崩壊することとなります。

 

それを後から言うのは簡単です。

 

なにせ、これは2010年にメキシコ湾で起きた「人災」に基づく話なのです。つまり「実際に起きた」話なのです。震えが止まりません。

 

安全第一。

 

見応え十分です。

 

バーニング・オーシャン』2017年4月21日(金)より 全国ロードショー